Column180830 of HOLOMIN web 2018


Column 18

春香の家

2018.08.30

小樽市の春香山という山の麓で、住宅の設計をしています。
春香山は、夏は山登りに、冬はスノーボードを背負って登りに行く、札幌近郊のよく遊びに行く好きな山で、そんな山の麓の住宅を設計できることを楽しんでいます。

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 今回の住宅はハーフビルドといって、施主も積極的に参加する家作りです。
 ランドスケープアーキテクト(造園家)である施主は、普段は机に向って図面を書く仕事をしているのですが、この夏はどこからか借りて来た年季の入ったユンボ(ショベルカー)で敷地の排水や造成などの工事から、自分の家作りをはじめました。
 旦那をはじめ、奥さんやたくさんの子供達も、それぞれ出来ること考えること、見守ること邪魔をすること、いろんなかたちでかかわっています。
 自分たちが住む場所は自分たちが作る・・・。そんな雰囲気が漂う素敵な現場です。
 本職の大工さんと、施主と仲間達と、ポイントで僕も家作りに参加して、秋空の下、着々と現場進行中です。


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 家のすぐ前の林から施主が自ら切り倒したミズナラの木を、大きな屋根を支える主要な柱として活かしています。
 普通は直線や平面で構成される住宅内部ですが、そこに自然のカタチを精度と意思をもって入れ込むことで、内と外をつなぐ接点が生まれるような、毎回のテーマではありますが、ヒトと環境との接点をデザインしています。
 本職の大工さんは担当部を終えそろそろ引き上げるので、ここまで勢い良く進めて来たスピード感からはペースダウンするかもしれませんが、エネルギッシュな施主と協力して完成に向いたいと思います。