Column200330 of HOLOMIN web 2018


Column 22

見晴の家

2020.03.30

昨年の秋から工事しておりました見晴の家が竣工しました。
今回はHOLOMINとしては初の試みとなる共同設計のプロジェクトで、みみずランドスケープの荒木さんと、舟建築設計の松延さんと一緒に携わらせていただきました。お二人は僕が大学生の頃にオープンデスクとして象設計集団に通っていたころからお世話になっている先輩で、設計、実務、十勝の自然の楽しみ方、そして酒の飲み方まで・・・僕の社会人なりたての頃からここまで、非常にお世話になってきました。そんなわけで僕としては、共同設計というよりは学ばせていただく気持ちで携わらせていただきました。

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「見晴」という地名があらわすように、高台にあるこの敷地からは日本海方面の眺望が得られます。ただ、周囲の建物との関係で一般的な2階建ての高さよりもさらに高い高さ(あと数メートル!)まで登ることで、より広い水平線と、海から岬、そして増毛方面の山々へとパノラマがひらけるということが事前の敷地調査でわかってきました。
そのような流れからこの住宅は、建築基準法としては2階建てというくくりのなかで、いかにして高い視点を得ることができるか・・・ということがひとつのテーマとなっています。

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また、クライアントは林学の専門家ということもあり、北海道の林を構成する多様な樹種を住宅に用いるということもひとつのテーマとなりました。
サワグルミ・アサダ・カツラ・ホオノキ・キハダ・カラマツ・トドマツタモミズナラシラカバエゾヤマザクラ・エンジュ・イタヤカエデ・ハンノキ・・・。暮らしの中で、クライアントの仕事と遊びのフィールドである北海道の身近な林の空気を感じられるような、そんな雰囲気を、素材として、カタチとして取り込んでいます。

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建物のある小樽市の骨董屋さんで仕入れた浮き球が、エントランスのワンポイントです。

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冬越えの工事を終えて、引渡し前あと一息の見晴の家です。